梅雨の昼下がり、
母と街の喫茶店に入りました。

注文したのは、二人とも、
ベリータルトとコーヒー。
「美味しいねぇ。」
酸っぱいもの苦手なはずの母が、嬉しそうに
食べている。
「美味しいネ。」

私は、やっと母に甘えることを
自分に許せるようになってきました。

母との関係性は、人間関係すべての原点。
競争相手、反抗する相手、と
いつの頃からか、母を見るようになっていました。
反抗期の頃から?
そして、ずっと、つい最近まで。

母への反抗期を終えていなかったことに、
はたと、気づいたのです。
じっと母は、待ってくれていたのでしょうか。
それとも、諦めを感じていたでしょうか。

やっと母に甘えられるようになって、
世界はやわらかくて優しいものだと
思えるようになっています、やっと。

“What a wonderful world!”

…もちろん、お会計は母に甘えましたよ。

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